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東京、住宅市場を蝕む不動産物件写真の虚偽掲載に本腰
重複・虚偽表示の物件画像が東京の住宅市場をゆがめてきた問題。プラットフォームへの圧力、区レベルの取り締まり、そしてコロナ後のインバウンド急増が重なり、ついに本格的な是正の動きが始まった。
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平日の朝、神楽坂のメインスロープに立ち並ぶ不動産仲介店に足を踏み入れても、主要な物件ポータルサイトをスクロールしても、問題はすぐに目に飛び込んでくる。新宿区内の日当たりのよい六畳間を撮影した同じ写真が、三つの異なる住所の物件に使い回され、時には月額で最大3万円もの家賃差がある物件に掲載されているのだ。重複した物件写真、複数の物件間で使い回された画像、古い掲載から流用されたもの、あるいはカビのシミや圧迫感のある視野を消すようデジタル加工されたもの――こうした写真が、東京の賃貸・売買市場を少なくとも10年にわたって静かにゆがめてきた。
この問題が今とりわけ重要視されるのは、リスクが急激に高まっているからだ。2025年、東京都市圏へのインバウンド旅行者数は過去最高を記録し、これまで静かな住宅街だったエリアにも短期賃貸需要が流入している。同時に、円安によって建築資材や輸入家電などの輸入コストが大幅に上昇し、老朽化した物件を正直な写真で提示した場合の収益余地が狭まっている。競争の激しい市場で、狭くて古いアパートの実際の写真が入居希望者を遠ざけるリスクがある以上、他の物件からより見栄えのする画像を借用したいという誘惑は、法的に問題があるとしても、商業的には合理的な判断となってしまう。
長年にわたる緩い監督体制が生み出した問題
宅地建物取引業法は、宅建業者に対して物件の正確な情報提供を義務付けているが、この法律が制定されたのは、デジタル写真や不動産ポータルサイトの普及によって画像の複製・転用が極めて容易になるよりもはるか以前のことだ。国土交通省の管轄下にある不動産適正取引推進機構は、これまで取引説明書類の正確性に重点的に取り組んできており、物件写真の正確性については手が回っていなかった。その空白を突くように、SUUMO・HOME'Sといった主要ポータルを含むアグリゲーター各社も、自社での取り締まりに積極的ではなかった。
東京都内の各区が問題の影響に気づき始めたのは、2022年ごろのことだ。2020年東京五輪に向けて大量の新規賃貸物件が建設された墨田区・江東区では、「実際に訪れた部屋が掲載写真と全く違う」という苦情が、地域の消費生活窓口に寄せられるようになった。2023年には、東京都都市整備局が寄せられた苦情件数をまとめ、主要ポータル各社と写真の確認基準について非公式の協議を始めたが、正式な指導には至らなかった。
消費者庁の2024年度年次報告書は、不動産に関する虚偽表示の苦情件数が全国で目に見えて増加しており、3年連続で増加が続いているとした。東京都は区別の内訳を公表していないが、短期賃貸への転用が最も集中している渋谷区と港区について、消費者団体が特に問題が深刻なエリアとして指摘している。
プラットフォームの対応と、今すぐ知っておくべきこと
東京都および不動産公正取引協議会(業界の自主規制機関)からの圧力を受け、SUUMOを運営するリクルートホールディングスは2026年3月、異なる物件IDに同じ写真が掲載されている場合に自動的に検知するシステムの導入を発表した。システムは2026年4月から段階的に展開を開始し、まず23の特別区内の物件から対象となる。ライフルコーポレーションが運営するHOME'Sも、並行して審査プロセスを進めていることを認めているが、展開時期は公表していない。
現在、市場で物件を探す賃借人や購入希望者に対し、消費者法の専門家が口をそろえて勧めるのは、契約締結前に必ず実地見学またはビデオ内覧を求めること、そして掲載写真をGoogleストリートビューや画像ファイルに埋め込まれたタイムスタンプのメタデータと照合することだ(信頼できる業者であれば、リクエストに応じて開示するはずだ)。外国人居住者を対象に生活文化局が管理する東京都の住まい情報サイト「J住まいサポート」に掲載される物件は、民間プラットフォームにはまだないマニュアル審査を経ている。
今年稼働する自動システムは、2000年代初頭にアグリゲーターポータルが登場して以来、東京の物件掲載市場における写真の正確性への取り組みとして最も実質的な構造的変化といえる。今後、自主規制による取り組みが十分な効果を上げるのか、それとも国土交通省が最終的に写真の正確性に関する拘束力のある基準を設けるのかは、新たなシステムが消費者庁の追跡する苦情件数をどれほど迅速かつ明確に減少させるかにかかっているだろう。