政治
東京都議会、高齢者介護補助を拡充――75歳以上の自己負担額を引き下げへ
都は在宅介護サービスへの補助を12%増額し、在宅支援を必要とする75歳以上の都民の月々の負担を軽減する。
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東京都議会は水曜日、高齢者介護サービスへの補助対象を拡大する条例案を賛成89票、反対21票で可決した。これにより、23区内で在宅介護サービスを受けている約34万人の高齢者の月々の自己負担額が軽減される見通しだ。10月1日に施行されるこの条例では、既存の介護保険制度の対象となる75歳以上の都民について、民間介護事業者へのサービス費用に対する都の負担割合が58%から70%に引き上げられる。
この決定は、東京が日本でも最も急速な高齢化が進む都市のひとつという現状を背景に下された。東京都が5月に公表した統計によると、65歳以上の都民は現在、都の総人口の29.4%を占める。在宅支援を必要とする高齢者の数は2020年以降18%増加しており、家計と自治体財政の双方に重くのしかかっている。介護が必要な親の面倒を見ながら子育てもこなすという「ダブルケア」の状況に置かれた現役世代も多く、地域の支援団体からは公的サポートの強化を求める声が繰り返し上がっていた。
都民生活への影響
東京都が公表している現行のサービス料金をもとに試算すると、週4時間の在宅介護支援を受けている都民の場合、月々の自己負担額はこれまでの約2万8,000円から1万8,500円程度に下がる見込みで、家計の直接負担は34%軽減されることになる。補助の対象となるサービスは、入浴介助、食事の準備、軽微な家事援助、認定を受けた介護士が登録事業者を通じて提供する移動支援など多岐にわたり、23区全域で適用される。
条例では、補助の対象を世帯収入が月60万円未満の都民に限定しており、多額の年金収入や不動産資産を持つ高所得の退職者は除外される。都議会社会福祉委員会が審査した予算関連資料によると、現在の介護サービス利用者の約68%がこの基準を満たすとみられる。また、2026年3月時点で18万6,000人が従事する都内の介護分野では、自治体の購買力向上に伴い、従事者の契約時間が若干増加する可能性もある。
財源と導入スケジュール
都は今年度予算から347億円を拠出し、2027年3月まで補助拡充プログラムを実施する。都議会財政担当者は、プログラムが完全稼働した後の年間費用を423億円と見込んでおり、新たな課税によらず、一般財源と既存の介護保険の財源を充てるとしている。都はこの政策によって、現在は無償の家族介護に委ねられているニーズを軽減できるとしており、特に東京の世帯における非公式介護時間の61%を担う娘や義理の娘への負担軽減が期待される。
制度の導入にあたっては、8月1日から2か月間の登録期間が設けられる。高齢者本人や家族は、各区の福祉事務所の窓口または郵送で申請できる。都長寿社会対策部は申請から14日以内に審査を完了し、9月15日までに更新された補助受給証明書の発行を始める予定で、事業者が10月1日の開始前に請求手続きを調整する時間を確保する。東京の介護保険制度のもとですでに認定を受けている介護事業者は、追加の許可申請が不要なため、移行手続きも簡略化される。
反対票を投じた4人の野党議員は財政上の持続可能性に懸念を示し、補助の一律拡充よりも所得要件の見直しやサービス上限の設定を検討すべきだと主張した。これに対し、賛成側の議員は「投資を先送りすれば、その負担が家族や病院に転嫁されるだけだ」と反論した。採決では、複数の会派にまたがる幅広い連立勢力が賛成票を投じた。なお、この条例は65歳から74歳の高齢者への補助には影響せず、施設入所介護の自己負担の仕組みについても変更はなく、引き続き別の保険の算定式が適用される。