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東京の賃貸住宅が危機的状況 住宅価格は平均5500万円に迫る高騰

山手線内の空室率が低下し、中古マンションの平均購入価格が5500万円前後で推移するなか、東京の賃貸住民は2年間の契約満了を迎えるたびに厳しい選択を迫られている。

文 Tokyo Property Desk · 公開日 2026年7月23日

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Daily Network finance briefing tile, illustration, not a photograph
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今夏、東京の賃貸住民の多くが壁にぶつかっている。2024年半ばに始まった2年間の賃貸サイクルが都内各所で相次いで満了を迎えており、住み慣れたアパートが10〜15%値上がりして再募集されていたり、インバウンド観光客を対象とした各種プラットフォームで短期賃貸物件に静かに転換されていたりするケースが相次いで発覚している。この締め付けは現実のものとなっており、しかも市場サイクルのなかで最悪のタイミングで到来している。

都心部における東京の賃貸空室率は2024年末から低下傾向が続いている。その背景には、外資系企業による法人需要の急増、建設コスト高騰による新規供給の鈍化、そして規制家賃での再募集を避けて売却に踏み切る土地オーナーの増加といった要因が絡み合っている。現在、賃貸契約の更新に最も直面しているのは20代後半から30代の世代だが、この層にとって賃貸を続けるか購入に踏み切るかという判断は、かつてないほど難しい局面を迎えている。

街ごとの家賃・購入費試算

杉並区はわかりやすい事例を提供している。JR中央線の人気通勤駅・高円寺駅近くの2LDKマンションは、2022年当時は月額約13万円で賃貸に出されていたが、現在は転居後の再募集時に15万5000円〜16万5000円台で掲載されている。同じエリアで同規模の中古マンションを購入する場合、2026年7月初旬時点でSUUMOに掲載されている物件をまとめると、価格帯は4500万〜5200万円程度となっている。住宅金融支援機構が公表するフラット35の基準金利をもとに試算すると、4800万円のローンを組んだ場合の月々の返済額は返済期間によって異なるものの、おおむね13万〜14万円程度となる。つまり杉並区では、購入と賃貸の月額コスト差は3年前と比べて大幅に縮小している。

山手線の内側に入ると、まとまった頭金を用意できない人にとっては、賃貸のほうが明らかに有利になる。渋谷区では中古マンションの平均単価が多くのエリアで1平方メートルあたり120万円を超え、55平方メートルの物件は6600万円を上回る水準だ。同等の物件の月額賃料は20万〜23万円と高水準だが、それでも頭金を2割以上用意できない購入者にとって、住宅ローンの月々の返済額を下回っている。

賃貸住民が実際に取れる手段

今シーズンに賃貸契約が満了を迎えるテナントに対し、中目黒や吉祥寺エリアの不動産会社は、秋を待たずに早急に行動するよう助言している。この2つのエリアは慢性的に物件の回転率が低く、秋になると企業の転勤需要がさらに競争に拍車をかけるためだ。基本的なアドバイスとして、まずは現在の大家に対し、契約満了の少なくとも3カ月前に2年間の更新を申し入れることが挙げられる。その際、借地借家法に基づく借主の保護規定を根拠として示すとよい。同法では、通常の普通借家契約において大家が更新拒絶を行う場合、借主への6カ月前の事前通知を義務付けている。

転居を検討している賃貸住民は、調布以遠の京王線沿線や町田以遠の小田急線沿線といった郊外駅に目を向けるべきだろう。これらのエリアでは2LDKでも月額11万円を下回る物件が今なお見つかり、新宿までの通勤時間も40分以内に収まる。また、西新宿の東京都庁内に設置されている東京都の住宅相談窓口では、2025年度以降に対象要件が拡充された低所得世帯向け家賃補助制度「東京居住支援プログラム」を案内している。

購入を検討している人にとって、最大のハードルは頭金だ。住宅金融支援機構のフラット35は全期間固定金利商品であり、変動金利型の銀行住宅ローンにはない返済額の安定性を提供している。1000万〜1500万円の頭金を用意でき、練馬区・足立区・武蔵野エリアを検討対象に加えられる購入希望者は、これらのエリアの購入価格がまだ都市平均の5500万円を下回っているため、5〜7年のスパンで見れば購入は財務的に合理的な選択肢となりうる。

市場は待ってくれない。同じ物件が同じような価格で引き続き借りられると思い込み、何も手を打たなかった賃貸住民が、都心ではそうした前提がもはや通用しないことに気づかされている。交渉・転居・購入への移行という選択肢が開かれるのは契約満了のタイミングだけであり、そのウィンドウはかつてより速いペースで閉じていく。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個人に対する財務上または投資上の助言ではありません。金融に関する意思決定を行う際は、ご自身の状況を十分に考慮したうえで、有資格の専門家にご相談ください。

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